これが最後と思うのが最初の恋、 これが最初と思うのが最後の恋 ・・・なんてね。

プリマドンナの馬

これが最後と思うのが最初の恋、 これが最初と思うのが最後の恋 ・・・なんてね。

「Wer den Fehler seiner Geliebten nicht lieben kann, ist nicht wirklich verliebt」

プリマドンナの馬/PRIMADONNANS HÄST

『恋するムーミン』(トーベ・ヤンソン)より

 

プリマドンナの馬とはムーミンシリーズに登場するサーカスの馬で、黒く花柄の毛皮と美しい長いたてがみを持っています。

マドンナ的存在である、プリマドンナの世話役の馬で、愛のアドバイスを誰かに与えることが生きがいというおせっかいな面も持っています。

 

この名言が登場するのは『恋するムーミン』という作品で、ムーミントロールがプリマドンナとプリマドンナの馬を助けるところから始まります。

 

ムーミントロールは、スノークフリューケンという恋の相手がいるにも関わらず、プリマドンナにも夢中になってしまいました。

もちろん、スノークフリューケンは悲しい気持ちになって落ち込んでしまいます。

そこで、ミムラとプリマドンナの馬はムーミンを諭したり、スノークフリューケンを慰めたり、主人であるプリマドンナさえもたしなめたりと大活躍。

2人の助けもあって、ムーミントロールとスノークフリューケンは、お互いの気持ちを再確認できるのでした。

 

 

初恋ではこの恋が終ることは想像できないし、最後の恋を迎えると今までの恋は本当の恋ではなかったのだと分かるもの。

初めての恋が特別であると同時に、最後の恋も同じように特別である。

 

恋愛というものは複雑ですね。

 

照れ隠しのようなはにかんだような「・・・なんてね。」という語尾が付け加えられていることによって、全体の雰囲気がやや柔らかく、親しみやすいものになっています。

このフレーズを使うことで、恋愛中の方は最後の恋だと認識でき、これから恋愛する人は新しい恋愛への期待や喜びを込めているように感じられます。

 

もっとも、プリマドンナの馬がこの言葉を言っている後ろで、ムーミントロールがしかめっ面で「うるさいな」と言っているんですけどね。